燃料電池とは
 
     燃料電池は、天然ガス、メタノール、石油・石炭ガス、バイオマスガスなどを燃料として電力を発生させるための発電装置です。

     また、この燃料電池は水の電気分解の逆反応である電気化学反応を直接用いるため、従来の火力発電と異なり燃料を燃焼させる必要がなく、従って効率が高く環境に優しい発電装置として注目されています。またこの電気化学反応において発生する熱を利用し、効率のよいコージェネレーションシステムを構成することが出来ます。

     数万kWを目指す大規模発電設備としてのみならず、集合住宅、オフィスビル、病院等での数百kW級コージェネレーション、さらに乗用車やバス等交通機関の動力用電源、数kWの家庭用や数十Wの電子機器用電源等、幅広い範囲での出力規模と多岐にわたる利用が期待されています。

     燃料電池の原理は、1839年にイギリスのグローブ卿によって実証されたものです。現在の燃料電池システムの原型は宇宙開発における宇宙船の電源として用いられたものであり、燃料電池はハイテクの象徴ともいえる宇宙開発からの贈り物であるといえましょう。

     この開発研究・実証試験運転はアメリカ、ヨーロッパ、日本を中心とする多くの国々の国家的プロジェクトとして積極的に進められてきました。これらの数十年間に及ぶ努力が実り、最近では一部の機種については商業化されています。